働き方改革も発想の転換から
(第152話)働き方改革も発想の転換から
大勢と同じ視点の下で類似の最適解を探すのは成長が止まる会社
大勢から一歩引いて独自の解決方法を探るのが成長し続ける会社
働き方改革という大号令の下、長時間労働が目の敵にされています。
働き過ぎて身体を壊しては何にもなりません。
また、パワハラまがいの指示で社員に長時間労働を強いることは社会的にも大きな問題になっています。
一方で、経営者の立場からすると、時間外労働は残業代の発生にも直結するため、従来から悩みの種です。
このため、法律的にも、人道的にも、採算的にも
長時間労働=悪いこと
というのが常識です。
そして、この長時間労働を是正するために
- 仕事の生産性を上げる
- 人員配置を見直す
- システムを導入する
といった業務プロセスの見直しが行われます。
会社によって取組みはマチマチですが、今では長時間労働の是正に取り組むことが喫緊の課題です。
特に日本の場合、製造部門では徹底的に生産性を追求するのに、営業や管理といった非製造部門では必ずしも生産性が高くありません。
弊社でもクライアントさんからご依頼を受けて、長時間労働の対応策を検討することがあります。
しかし、多くの対応策は「これですべてが解決します!」というウルトラCではありません。
本来やるべきなのにできてないことを一つひとつ地道に潰していくのが基本になります。
では、
長時間労働=良いこと
という前提にしてみると、どうでしょうか。
長時間労働という言葉がしっくりこないのであれば、長時間労働を夢中になって取組むことと置き換えてみればどうでしょうか。
夢中になって取組むこと=良いこと
という点については、多くの人が賛同するかと思います。
仕事か遊びかは別にすると、時間を忘れて夢中になってしまい、気がつくとあっという間に夜中になっていたということは、誰しも一つか二つはあるのではないでしょうか。
私も起業してから実感するですが、どこまでが仕事で、どこからが仕事以外のことであるという区分はあまりありません。
もちろん気をつけないと、メリハリがなくなるので自分で自分をコントロールすることは必要です。
しかし、遊んでいる中で仕事にもつながることはたくさんあります。
そして、自分が好きでやっていることは、たとえそれが長時間に及んでも意外と疲れず、むしろたいへん楽しいものです。
ここで、私が申し上げたいことは、長時間労働=悪いことという多くの人と同じ前提条件の下で考えている限り、出てくる対応策も、それほど画期的なものではないということです。
しかし、
長時間労働≒夢中になって取組むこと=良いこと
という前提条件に立てば、他社とは違う独自な解決方法が見いだせる可能性があるということです。
机にしがみついてパソコンと格闘するだけが仕事ではありません。
売れない商品を気合いと根性で時間をかけて売るよりは、知恵を絞って売れる商品に改良することがよほど効果的です。
会社の中で同じ発想で議論するより、社外の人や異業種の人の意見を取り入れることでブレイクスルーすることもあります。
また、1ヵ月の長期休暇を全員に義務づけるという策もあれば、勤務時間中も副業OKとすることで、今までにない新しいアイデアが生まれるかもしれません。
皆が右向け右と言っている時は、ちょっとへそを曲げて左を向いてみる。
長時間労働を生む最大の原因は旧来の悪しき常識に囚われすぎていること。
そして、今の仕事があまり面白くないことで、長時間労働が精神的にも肉体的にも大きな負担になっています。
長時間取り組むものは何かを見極めることからスタートする。
混沌とした状態から大きく一歩抜け出すには、発想の転換が鍵です。
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